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2004年 07月 09日

マグロ探検隊の冒険

第6回 トラバでボケましょう選手権 参加作品


俺の船は危険な海域に足を踏み入れていた。
霧が立ちこめ、視界がほとんど効かない。
海底に火山でもあるのか、海水が熱いのである。
俺は額から汗をぬぐい、船を見渡した。
この暑さで、乗組員たちの疲労も限界にきているようだ。
そのときだった。

「船長! 滝です! 前方に滝が見えます!」

見張りが叫んでいる。そんなバカな。ここは海だぞ。
船首の方角に目をやると、巨大な滝が流れ落ちていた。
熱風がここまで押し寄せてくる。どうやらあの滝は煮えたぎっているようだ。
俺は叫んだ。
「とり舵いっぱい! 滝を回避する!」
「アイアイサー!」
ベテラン操舵手が即座に反応する。
彼の熟練の技によって、船は転覆ギリギリの角度まで傾きつつ、滝を回避した。

水温はさらに上昇してゆく。このままだと乗組員が保たない。

「船長! 船長!」

今度は何だ。

「左舷に! 左舷に!」
「どうした! しっかり報告しろ!」
「巨大な鳥が!」

どうやら見張りが この暑さの最初の犠牲者となったようだ。それでも一応 左に目をやると、
「!」
本当に 巨大な水鳥らしき物体が浮かんでいるではないか。
まるで太古の水竜、プレシオサウルスのような大きさだ。
いくら水鳥とはいえ、あの大きなクチバシで突かれでもしたら船体に穴が開いてしまう。

「おも舵いっぱい! と、鳥、あの鳥を回避する!」
「アイアイサー」
さすがは俺とずっと一緒にこの船に乗り組んでいる操舵手だ。
俺があわてていても、表情ひとつ変えずに舵輪をまわす。


まてよ。俺たちはいつから一緒にいるのだ?
いつからこの船に乗り組んでいるのだ?
見張り、操舵手、航海士、船員たち、そして船長の俺。

毎日出航していることだけは覚えている。
今日も船出は順調だった。
そして毎日帰港して・・・ 帰港? どこへだ?
記憶が曖昧だ。このむせかえるような暑さのせいだろうか。
俺たちはどこへ帰港するのだ。どこへ。


そのとき、ものすごい勢いで船体が上昇し、左右に揺さぶられた。
船員たちが甲板を滑ってゆく。
揺れは激しさを増し、船は振り子のように揺さぶられた。
このままでは船員たちが振り落とされてしまう。
仲間を助けなければ。
舵輪にしがみついている操舵手を残し、俺は甲板に出ようとした。
その瞬間、今までで一番激しい衝撃が襲ってきた。
船体が投げ飛ばされ、岩盤に叩きつけられたのだ。
俺も船室の壁に頭を強く打ちつけてしまった。
薄れ行く意識の中で、遠くに 女と子供の声を聞いたような気がした。

「あらあら、お船のオモチャ、放り投げちゃダメでしょ」
「やーだ! もうお風呂あがるもん」
「じゃあ、ママがお湯を止めるから、アヒルのオモチャも片付けてしまいましょうね」



■□■□■□■□■□【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□
【ルール】
 お題の記事に対してトラバしてボケて下さい。
 審査は1つのお題に対し30トラバつく、もしくはお題投稿から48時間後に
 お題を出した人が独断で判断しチャンピオン(大賞)を決めます。
 (自分自身のお題の記事にトラバして発表)
 チャンピオンになった人は発表の記事にトラバして次のお題を投稿します。
 1つのお題に対しては1人1トラバ(1ネタ)とします。
 お題が変われば何度でも参加OKです。
 (企画元ブログにてチャンプランキングも開催中!)

 企画終了条件は
 みんなが飽きるまで、もしくは企画者が終了宣言をした時です。

 参加条件は特にないのでじゃんじゃんトラバをしてボケまくって下さい。

 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。

 企画元  毎日が送りバントhttp://earll73.exblog.jp/
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by himaohimao | 2004-07-09 12:41 | ショートショート


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