2004年 07月 18日
映画『スチームボーイ』の公開とタイアップしてアニマックスで放送された、映画『AKIRA』(88年)を観ました。 ご存知、日本アニメを世界に知らしめるきっかけになった、巨匠 大友克洋の作品です。 これがなければ『攻殻機動隊』の、あれほどの世界的ヒットもなかったでしょう。 で、公開当時の感想は、 「マンガの壮大なストーリーから一部を抜き出して、鉄雄の暴走を止める金田、というヒーロー譚にしちゃったな」 という否定的なものでした。 やはりマンガの印象が強烈すぎたのでしょう。 ところが今日観て、「よく出来てんなぁ」と思いました。 映像もすごいし、ストーリーも、新人類テーマのSFとしてまとまってる。 映像で言うなら、モブシーンがとても多い。 モブ(群集)シーンとは、画面上で同時に3人以上の人物が動いているシーンのことで、 作るのがとても大変なのだそうです。 それが異様に多いのですね。 他にも、飛び散る破片がバラバラのベクトルで動いてるし、 人物が静止して喋っているだけの画面でも、影が絶え間なく揺れてたりするし。 コンピューター作画が今ほど普及してなかった16年前に、よくこんな2時間アニメが作れたな、と思いました。 ストーリーの方も、旧人類に属していた鉄雄が、新人類の力である超能力を手に入れ、制御できずに暴走する、 という話で、新人類物のお約束を踏まえています。(新味は あまりありませんが) 未見の方、昔見たんだけど忘れちゃったなぁという方、ぜひご覧ください。 ところで『スチームボーイ』の方ですが、あまり芳しい評判を聞きませんねぇ。 大友克洋って、寡作すぎて、作ってる間に 時代が作品を追い越しちゃうんじゃないでしょうか。 宮崎駿が、マンガ版『風の谷のナウシカ』の最終巻の巻末に、 「時代が この作品のテーマを追い越してしまった(ので、こういう結末にせざるをえなかった)」 というような文章を書いていましたが、それと同じことが『スチームボーイ』にも起こったのではないかと勝手に推察しています。 遅筆な人の宿命なんでしょうかねぇ……
by himaohimao
| 2004-07-18 20:01
| アニメ
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ひまおです。
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